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「DESIGN IT! Pre-Conference 2005」スピーカーからのメッセージ
2006年3月30日 掲載
昨年開催した「DESIGN IT! Pre-Conference 2005」にご登場いただいたスピーカーの方々から、本年の「DESIGN IT! Conference 2006 Spring」へ、メッセージをいただきました。
東京の DESIGN IT! 参加者のみなさんへ。
(※ローゼンフィルドさんは昨年のスピーカーではありませんが、本年のスピーカーであるピーター・モービルさんとの『Web情報アーキテクチャ』共著者としてメッセージをいただきましたので、ここにご紹介させていただきます)
ようこそ! 私も東京の DESIGN IT! に参加して、みなさんや、ピーター、ボブ、そして篠原さんとお会いしたかったです。
ビジネス界の人々はますますデザインを真剣に捉えるようになり、デザインの原則が、ビジネスの複雑な問題を解決するための重要なツールであるということを理解しはじめています。DESIGN IT! はそのプログラム自体が知的にデザインされており、デザインの基礎となる6つの重要なテーマ、すなわちデザインマネジメント、コンテンツマネジメント、情報アーキテクチャ、インタラクションデザイン、アクセシビリティ、ストラテジーを含んでいます。このように複数のテーマから構成されたプログラムは大変野心的であると言えますが、今日のデザインのプロフェッショナルたちは、これらのテーマについてよく知っておくべきなのです。だから私は、みなさんがこの2日間で大きなものを得るだろうということを確信していますし、みなさんと一緒に学ぶことができればどんなによかったかと思うのです。
ユーザーエクスペリエンスへの取り組みが企業の成功に繋がる
昨年東京で開催された DESIGN IT! Pre-Conference に参加できたことは、私たちにとってとても幸運なことでした。日本における UCD の重要性を高めようと奔走なさっている篠原さんに拍手をお送りしたいと思います。アメリカにおいて私たちは、積極的なユーザーエクスペリエンスへの取り組みが企業の成功に果たす役割と効果を見てきました。その考え方をみなさんと共有できたことを大変喜ばしく思っています。
今年はコンテンツマネジメントと情報アーキテクチャにフォーカスを当てているとのことで、ユーザビリティを通して差別化を図ろうとする企業にとって重要なカンファレンスになると思います。
そうそうたるスピーカーたちに出会えるはず
去年の DESIGN IT! Pre-Conference は、もう本当に驚くほどすばらしかったです。深みがあって、幅も広くて、まさに今日的な意義に溢れたものでした。
今年の DESIGN IT! Conference 2006 Spring もきっとそうに違いありません。ありふれた考えなんて、このカンファレンスでは見付からないでしょう。そのかわりに皆さんは、物事を結びつけ、トレンドを見極め、古びた問題を新しい方法で考えている、そうそうたるスピーカーたちに出会うはずです。
今年も只事にはならないでしょう。参加できなくて残念です!
今年もエキサイティングなアイデアに期待
DESIGN IT! Conference 2006 Spring の参加者のみなさんに、私の心からのご挨拶を送らせていただけること、大変うれしく光栄に思っています。
私にとって、DESIGN IT! の参加者の方々と視点を共有するという経験は、非常に刺激的で得るところの大きいものでした。カンファレンスがこれほど人々に受け入れられているのは、私たちの業界に対して篠原さんがユニークなビジョンをお持ちであることの証です。
今年のカンファレンスからも、エキサイティングなアイデアの数々が聞こえてくることを楽しみにしています。
カオス的な熱気を持つカンファレンス
デザインとビジネスとテクノロジーをつなぐために生まれた DESIGN IT! 記念すべき第一回に参加することができ、そのカオス的な熱気を肌で感じることができた。何事もジャンル分けができない時期が一番面白い。DESIGN IT! はその混沌にそびえ立つ分水嶺としてこれからも多くの発見 と出会いを生み出してもらいたいと思う。
経験と知識を共有できるカンファレンス
2005年の DESIGN IT! の開会に参列できたことは、大変喜ばしく、光栄なことでした。私は日本の CMS 業界の規模と質に感銘を受けました。テクノロジー関連のバイヤーの方々と話し合って確信したのは、日本の CMS プロジェクトが、世界各地で見受けられるのと同様の課題の多くに直面しているということです。それらの課題というのは、コンテンツの移動の際の困難、ユーザーによるフル採用に伴う問題、そして多様なテクノロジーの統合に伴う困難、のようなものです。だからこそ、このように同業者が経験と知識を共有できるカンファレンスが重要なのです。
ボブ・ドイル氏を今年のイベントに迎えられるとのこと、まさに適任だと思います。皆さまが今後 CM Pros へ参加くださることを願って止みません。今年のカンファレンスが大成功をおさめますように。結果の報告を今からとても楽しみに待っています。
DESIGN IT! Conference 2006 Spring ならびにそれに参加する方々へのメッセージ
コンニチハ!DESIGN IT! Conference 2006 Spring へようこそお越しくださいました!
ユーザーインターフェース・デザイン、情報アーキテクチャ、そしてユーザビリティは、最良のユーザーエクスペリエンスを確保するための礎です。2005年のカンファレンスの中で我々は、大規模なウェブを実現するためのデザインのライフサイクルにおいて、コンテンツマネジメントが果たす重要な役割を発見しました。2006年は、CMS の内部の働きについて知識を深めてもらい、それがどのようにウェブの生産性とパフォーマンス、そして情報のアクセシビリティの向上につながるのかを知っていただきたいと思います。
みなさんを DESIGN IT! Conference 2006 Spring にお迎えすることができ、大変光栄です。昨年の私のプレゼンテーションの結論として、聴衆のみなさんに "Think Accessibility" を心掛けていただくようにお願いしました。アクセシビリティに取り組むこと、そして、コンテンツマネジメントという領域の中で、障害を持つ人々のためにユーザーエクスペリエンスを高める革新的な方法を模索していくこと。これが、私からのスペシャル・リクエストです。
アメリカよりご成功をお祈りしています!
世界中のITプロフェッショナルのためのキーリソースに
DESIGN IT! カンファレンスは、デザイナーをはじめ、ユーザビリティの専門家、管理職、ライター、学術研究者、産業界のリーダーたちを含む、世界中のITプロフェッショナルのためのキーリソースとなりました。
昨年、私はキーノート・スピーカーとして、ITの課題に関する理論的かつ実践的な議論を、リラックスした、それでいて刺激的なムードの中で楽しむことができました。
本カンファレンスの視野は広く、著名なITエキスパートによる個別のセッションでは、今日の各分野における決定的な課題について深く掘り下げていきます。ディレクターと、彼らの有能な熟練スタッフの温かさと寛大さが、カンファレンスを目覚ましく協同的、そして人間的なものにしています。
メッセージ for DESIGN IT!
【1】2005年のDESIGN IT!に参加した感想
2005年は、ひとりの聴衆として、また末端のスピーカーのひとりとして参加させて頂きました。
私の個人的な興味、業務との関連の双方から、これほど待ち望み期待したカンファレンスは過去にありませんでした。出来ることならば、スピーカーとしての負荷のないままに、ひとりの聴衆として参加したいとさえ思っていました。
結果、期待に違わぬ成果を私自身は得ることが出来ました。また、この様なカンファレンスを実施しようとし、且つ実現出来る会社の存在することに、深い感銘を得たことも成果と言えるでしょう。
私のスピーチでは、同時開催のメインがレベッカ・ブラッドのブログの話でもあり、30人くらい集まっていただければ幸いと思っていたところが、会場一杯の聴衆の皆さんにびっくりしました。講演の後、何人かの方々には直接、またメール等でコンタクトを頂き、少しでも聴いた甲斐があったと思っていただけたことは、大変な喜びでした。
個人的にも、このDESIGN IT!はあるひとつの契機となったと言えます。ある意味で、人生の転機とも言える体験を得られた希有な例となりました。
【2】今年のDESIGN IT!に対する期待
昨年より、デザインの観点は減じていると思いますが、ユーザビリティ、ユーザーエクスペリエンスに関してここまで立場を明確にしようとするカンファレンスは他にありません。ひとりでも多くの人が、自らの方向性に関して得るモノがあることを期待しています。
【3】今後のDESIGN IT!についての要望
DESIGN IT!の名前通りに、情報技術と(情報)デザインを広い視野から捉えたカンファレンスであることを要望します。2005年の川崎和男氏の様に、広い意味での「デザイン」に関わるスピーカーの参加が期待されます。個人的には、2005年の影響力トップは、ジェシー・ジェームス・ギャレットと川崎和男の両氏でした。
また、別の方向からは、今後の日本のIT業界のためには学生達の資質と教育の両面からの底上げが欠かせません。自らの考えをカンファレンスの前後にレポートさせるなどして、資質と情熱のある学生には、3,000円程度での参加を認める制度などもおもしろいかも知れません。
DESIGN IT!へのメッセージ
個人の知が企業価値の源泉となり、顧客価値、あるいは社会価値を創出する知識社会が色濃くなってきている。
知識社会で企業が生き抜くために、企業は自らが持つ知的資産を明確に把握し、強い部分を活かし、弱い部分をあらゆる手段を講じて強めていく。そのための企業変革として、ITデザインの可能性は計り知れない。つまり、個々人の持つ知を最大限に活かすために、情報や知識をデザインし、ITを駆使して経営をデザインするのだ。
DESIGN IT! このカンファレンスで語られる言葉一つひとつに注目したい。なぜなら、そこには企業変革の鍵があるからだ。
今年のDESIGN IT! に対する期待
今年は CMS がメインテーマとのこと。
一定規模以上の組織において、各部署でサブサイトを独自に運営し、そのサイトマスターも3年程度で交代する状況にある大企業や行政機関において、適切なサイト構造を確保するには、まずは各サイトマスターの人材育成が欠かせません。
しかし、サイトマスターやライターが目で確認しなければならない部分は別として、機械的に対応が可能な部分については、そのアクセシビリティやユーザビリティが自動的に配慮されることが望ましく、それによりサイト全体の構造的な質の維持ができ、結果として効率的かつ短時間でのサイト更新が可能になる部分もあると思います。
その点から、CMS の導入は検討されなければならない課題と考えています。
しかし、CMS という言葉自体ならびに各社 CMS の守備範囲(機能詳細)や仕様には大きな差があるように感じ、その中で自社に適正なものを選択することはけっこう難しく、また何が自社にとって適正であるかはその前提となる自社サイトの CMS による再構築(リニューアル)方針が明確化されている必要があると考えています。
したがってぜひ、CMS の導入前に整理されるべき点について、技術的手法も含めて、どこかのトラックで扱って頂くことができるとよいのではないかと思っております。また、CMS のテンプレート設計における技術的ポイントなども扱っていただけば、ウェブデザイナーの方たちにもためになるのではないかと考えています。
しかし、私が最も CMS の導入による効果として期待しているのは、サイト運営の効率化によって、いままでより短縮される時間的余裕により、本来サイトマスターが注力すべき「サイトのコンテンツ企画」「アクセス解析」そして何より、サイトで発信される情報の質的向上(わかりやすく、ユーザーを惹きつける文章、文脈[コンテキスト])にその時間と力を振り向けられるのではないかということです。これにより、サイトのリピーターが確保できるのではないかと。
最後に、今回のDESIGN IT!が多くのサイトマスターはじめウェブに関わる方たちにとって示唆の深いものとなり、成功に終わることを心よりお祈り申し上げます。
みのり多き未来のために
デザインはその概念自体、本来、非常に流動的なものであったと思います。同時に非常に広義なものであるとも思います。そうした多様な方向性の中で、どこをどのように伸ばしてゆくべきかということ、これはとても大切な課題です。多少ともデザインに関わる人々であれば、誰でも真剣に考えるべき課題だと思っています。
ここ20年、ソフトウェアデザインやインタラクションデザインが立ち上がり、発展してきました。その動きの中でさまざまな試行錯誤が繰り返されてきました。しかし、ここで絶対に忘れてはいけないことがあります。それはデザインは人によって使われるもの、ないしこと、に関わる、という点です。使う人、つまりユーザのことを考えず、独りよがりになりがちなデザインを、きっちりと人の手の中に戻すこと。これが将来の確実なデザインの発展のために最重要な課題と考えます。
ユーザビリティ、と言ってしまうとその概念の内包が限定されてしまう気はするのですが、やはりユーザビリティという概念は大切です。ぜひともユーザビリティを、いやそもそものユーザを忘れずに活動してゆきましょう。みのり多き未来のために。
IT社会をデザインするトレンドセッターとして
昨年は、我々の研究成果を発表できて、とても刺激になりました。
聴講された方がソフトウェア品質管理研究会(通称SPC研究会)に参加され、仲間の輪も広がっています。
今年度も参加募集中です。興味ある方、是非一緒に研究しましょう!
研究会第四分科会「ソフトウェア・ユーザビリティ ―エンドユーザ視点でのソフトウェア開発―」
今後も、興味深いテーマと貴重な講演を提供し続け、DESIGN IT!が、これからのIT社会をデザインするトレンドセッターとして活性化していくことを熱望します。
そして、日本から世界に向けて発信して行きましょう。
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