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ダン・サファー パーソナルサイト 「O Danny Boy」:ユーザーエクスペリエンスは「共同責任」だ

2008年7月 4日 掲載

Dan Saffer
Adaptive Path のインタラクションデザイナー、インタラクションデザイン修士、インタラクションデザイン協会(IxDA: Interaction Design Association)理事

ユーザーエクスペリエンスは「共同責任」だ

原文: Adaptive Path Blog [adaptivepath.com]
投稿日: 2008年5月20日

昨日僕は人と話をしていて、時々僕が携帯電話のデザインをすることに触れた。相手の女性はそれを聞いて、自分の電話には大きな問題があるといって次々に語り始めた。携帯電話で話をしていると、自分の頬がボタンに触れてしまい、通話の途中にダイヤルされてしまったり音が鳴ったりして通話の邪魔になるらしいのだ。「そうだね、これはまさに工業デザイン上の問題だろうね・・・」と僕は話し始めた。が、待てよ、と自分の言葉にひっかかりを感じた。もしかするとこれは、工業デザインの観点からは避けることができなかったのではないか。例えば、もっと良いボタンを製造するための予算がなかったとか、そういうことなのかもしれない。むしろ、通話中にボタンが押されても何も起こらないようにするなど、「インタラクションデザイン側」でやれたことがあったかもしれない。

それぞれの専門領域は、それぞれの作業下にある制約までにしか至ることができないが、互いに気をつけて、互いの欠陥を補うために歩み寄らなければならないはずだ。ユーザーには、ある製品が誰のせいでうまく動かないかは関係ない。「うまく動かないこと」が問題なのだ。すべての専門領域が1つになって仕事をし、ビジュアル面、インタラクション面、工業デザイン面で融合しながらもそれぞれの強みを生かし、その製品の欠陥を補って解決していく必要があるのである。ビジュアルデザインがインタラクションデザインをより良いものにし、同様にインタラクションデザインが工業デザインをより良いものにし、工業デザインがビジュアルデザインをより良いものにすべきなのだ(順番を入れ替えてみるといいだろう)。それぞれの専門領域の間にある結合面に注目することで、製品全体が1つのものとしてできあがる。

これが、エクスペリエンスデザインの本質なのだ。

本サイトに掲載している 「O Danny Boy」の記事は、ダン・サファー氏 より許可を得て、翻訳・転載しているものです。

関連サイト

  • O Danny Boy [odannyboy.com] (パーソナルサイト)

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