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京セラコミュニケーションシステム 文書管理システム「GreenFile X」

2008年8月27日 掲載

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DESIGN IT! magazine』vol.1の特別企画「Special Report」を掲載しています。

コンプライアンスに対応しながら文書管理業務の円滑な運用を実現

「GreenFile X(グリーンファイルエックス)」は企業の文書管理現場を徹底的に観察し、開発されてきた文書管理システム。文書管理の負荷低減はもとより、その業務の円滑な運用、ひいては経営効率の向上までも期待できる。紙文書をチューブファイルで管理する感覚で文書を保存・検索できる操作性に加えて、コンプライアンス時代に即して情報漏えいを防ぐ機能も充実している。



京セラコミュニケーションシステム
取締役・プロダクトサービス事業本部長
松木 憲一氏

京セラコミュニケーションシステム(KCCS)の「GreenOffice」シリーズは、同社の親会社である京セラをはじめとした企業に実適用されたシステムソリューションをパッケージ化したもの。社内ナレッジを現場から経営まで的確に届け、リアルタイム経営を実現するためのノウハウを盛り込む。

周知の通り、京セラは社内に「アメーバ」という、市場の変化に応じて柔軟に変化する小集団を形成し、部門別採算制を徹底する「アメーバ経営」を実践する。アメーバ経営では、通常の業務の中で人為的ミスや不注意による事故を防ぎ、経営の指標となる数字を正確なものにするため、日々、受注・売上の実績を把握し、判断する「リアルタイム経営」「伝票とモノ、カネを1対1で管理」「ダブルチェック」という3つの業務方針を徹底し、業務を統制してきた。

KCCSが提供する情報システムはそれらの業務方針をベースに設計されている。同社取締役・プロダクトサービス事業本部長の松木 憲一氏は「京セラグループでは、あらゆる情報システムが最終的に経営に貢献することを目指して構築されています。フロントエンドのGreenOfficeシリーズも例外ではなく、3つの業務方針を反映しています」と話す。そうしたGreenOfficeシリーズの1つが、Webベースの文書管理システムの「GreenFile X」だ。「電子帳簿保存法」や「e- 文書法」により本格的な電子文書時代が到来し、文書管理システムも文字通り全社規模で適用するケースが増えてきた。GreenFile XならRDBMSやアプリケーションサーバー(共にOracle製品を採用)などのシステム構成次第で大規模運用にも対応できる。

GreenFile X の歴史は長く、京セラの工場で図面をPCの画面上で見るために開発したファイリングシステムが発展して93 年に文書管理システム「GreenFile」が登場。それが2005年に現行GreenFile Xへと進化してきた経緯がある。

「2005年度から個人情報保護法が施行され、文書を保存・共有するだけでなく、管理も強化したいというニーズが出てきました。そこで旧製品の内部構造を見直し、ファイリング機能に情報漏えい防止機能を加えました。ただし、単に管理を強化するだけではメンテナンスの手間が増える一方ですから、メンテナンス性にも留意して、両方をバランスさせています。それがGreenFile Xです」(松木氏)。


大量の紙文書も効率的に取り込み


図1 スキャナ連携オプション

GreenFile Xで基本となるファイリング機能は、使いやすさを追求したシンプルな設計となっている。「紙文書をチューブファイルに綴じる感覚で電子保存できないかと考え、大量の紙文書が発生する部署に開発者が入って、現場の作業を体験しながら、利用者の視点に立って機能を開発しました」(松木氏)という。

文書は、キャビネット、フォルダ(最大9階層)、文書という階層構造で管理される。各種の電子 文書をドラッグ&ドロップ操作で、ローカルディスクからブラウザーを介してGreenFileXへ登録できるのに加え、登録文書の直接編集(ローカルへのダウンロードなし)も可能になっている。非公開の下書き保存や更新履歴保存といったバージョン管理機能を備える。

伝票のように連続した紙文書を一括して取り込むユーザーのために「スキャナ連携オプション」(図1参照)も用意する。連続スキャンした文書イメージに対してOCR処理とPDF変換を実施。あらかじめ作成した「登録テンプレート」の指示内容に沿って自動登録するのだ。その際、指定した基準に基づき表紙ページを判定、キーワードを付与することもできる。さらに、取り込む文書の一覧と、実際に取り込んだ文書を付き合わせて自動的に消し込みする便利な機能も装備する。この辺りの配慮は、“京セライズム” を感じさせる。


図2 最新バージョンで追加された全文検索機能の画面

検索の基本は、なじみの深いフォルダ階層のインタフェース。登録文書の階層構造が見渡せ、フォルダ検索やキーワード検索により目的の文書を探し出し、ダウンロードすることなくイメージビューワーで文書内容を確認できる。さらに、2008年4月にリリースされた最新版「GreenFile X」は使いなれた検索インタフェースによる全文検索機能をオプションで追加。大量文書の中からでも指定の文字列を含む文書を効率的に探し出せるようになった(図2参照)。

KCCSでは、このように新たな全文検索機能を提供する一方で、「文書は明確なポリシーに基づいて体系的に管理すべき。それがシステムの使い勝手、経営への貢献度を左右する」と階層構造を重視する考え。これまで通り導入企業に対しては、それぞれの企業の実態、ニーズに合わせて階層構造の設計、文書属性の定義などを支援していく構えだ。


ユーザーマスタ情報を簡便メンテナンス

情報漏えい防止としてはまず、ユーザーマスタ情報とロール情報を最適な状態に保つ必要がある。

GreenFile Xの特徴は、日本企業の組織行動に合わせて個人ではなく「組織」や「役職」の単位でアクセスを制御すること。これにより、大元の人事システムと同期することが可能になり、人事マスターである個人が属する組織や役職が変わると、その個人がGreenFileXで利用可能な文書の種類も自動的に変更されるわけだ。この点が一般的なECMシステムと大きく異なる点と言える。

人事異動に合わせたアクセス権の付け替え作業は負担も重く、ヌケ・モレが生まれやすくなる。松木氏は「文書管理システムを選ぶ場合、操作性や機能性に加えて、システム管理者はセキュリティを求めます。ただし、それを厳格に運用しようとするとマスタ管理が煩雑になるので、メンテナンス性も大切です。GreenFile Xなら管理者の負担を大きく減らせます」と説明する。

またアクセス権管理と並んで、情報漏えい防止で不可欠なログ管理にもGreenFile Xは対応する。標準でログ監査機能を提供。文書の利用履歴(ログ)を取得し、「誰がいつ何をしたか」のトレーサビリティを確保できる。このログ情報は、利用状況を示すレポート作成にも使用可能だ。

さらに、付加機能として「情報漏えい防止オプション」を提供する。これは、MS-Office/PDF文書がクライアントへダウンロードされる際に暗号化(サーバーが交信しているクライアントのみ復号可能)すると共に、操作ポリシーを盛り込み、コピーや印刷、保存、画面印刷といったファイル操作をロギングしたり、制御したりするもの。情報漏えいを徹底的に防止できる。

GreenOfficeシリーズには、ワークフローエンジン「GreenOffice Workflow」もあり、GreenFile Xと組み合わせると、文書の回覧・承認・保存をポリシーに沿って統制する一気通貫のシステムが組める。実際、「最近は日本版SOX 法に向けた内部統制強化にGreenFile XとGreenOffice Workflowと組み合わせるケースが増えています」(松木氏)という。

世はコンプライアンス時代となった。文書管理システムは文書を手際よく蓄え、検索できることに加え、明確なポリシーの下、厳格なセキュリティを施して管理。それも管理者に余分なストレスや、負担を与えないという条件が求められてくる。GreenFile Xは、そうした操作性や運用性、セキュリティといった要素のバランスを考慮しながら、ITは経営のためのツールであるという、京セラ時代から続くコンセプ トが貫かれている。単に使い勝手を追い求めるのはなく、現場から経営層まで、経営という共通の目的のために活用する文書管理システムとして追求した結果、運用面とセキュリティ面を両立させることに成功している。その点でKCCSのGreenFile Xは時代の要請に応える最適な文書管理システムと言えるだろう。

DESIGN IT! magazine』vol.1の特別企画「Special Report」を掲載しています。


関連情報

お問い合わせ先

京セラコミュニケーションシステム株式会社 東日本プロダクト営業2部
TEL: 03-5765-1520
URL: http://www.kccs.co.jp/ [kccs.co.jp]

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