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アシスト 「NOREN5 Content Server」 「NOREN5 Experience Server」
2008年8月27日 掲載
『DESIGN IT! magazine』vol.1の特別企画「Special Report」を掲載しています。
ユーザーの声で成長を続けるCMS 情報を“管理する”から“活用する”基盤へ
「NOREN」は、導入社数で言えば日韓トップクラスのCMSパッケージ。ユーザー視点を徹底して貫き、顧客の要望を反映して機能拡張を続けている。最新バージョン「NOREN5Content Server」(以下、NCS)では、サイト内検索エンジンおよびアクセス解析ツールとリアルタイムに連携。サイトを活性化させ、サイトをより一層、最適化させるための仕掛けも容易に盛り込むことが可能になった。
アシストは、2002年にWebコンテンツ管理システム(CMS)パッケージ「NOREN」(開発元:韓国アイオン・コミュニケーションズ社、以下アイオン)の販売をスタート。以来、350 社を超える企業に導入されてきた。その中には、日立製作所やソニーイーエムシーエス、NECエレクトロニクスなど日本を代表する企業と、その主要子会社が多く含まれる。企業サイトとイントラネットの両方で利用しているユーザーが多いのも特徴だ。
アシスト・のれん力強化事業推進室の根津豊室長は次のように話す。「企業サイトでNORENを導入したユーザーの多くは、その後イントラネットにも適用する傾向があり、その逆も然りです。結局、情報の見せ方が異なるだけで、企業サイトもイントラネットも扱う情報は同じことが多く、NORENそのもののユーザビリティを高く評価いただいた結果だと思っています。また、最近では、イントラネットへの導入の割合が高まったことで、企業サイトとイントラネットの比率が6対4となっており、イントラネットの重要性が増しているということが分かります」。
NORENは、開発元のアイオンが元々はWeb制作会社だったこともあり、ユーザー視点で作られているのも大きな特徴のひとつ。同社ではCMS 製品を検討する企業に対して、「まず、実際に触って担当者の方が使いこなせるか確認してみてください」と説明する。NORENがユーザー視点から容易に使いまわ せる製品に仕上がっている証であり、「CMSはかくあるべき」というコンセプチュアルな欧米製品、それに倣った一部の国産製品とは大きく異なる点を象徴する言葉と言えるだろう。
静的CMSながらECサイトでも採用が増大
アシスト
のれん力強化事業
推進室
根津 豊 室長
NORENはテンプレート方式とワークフロー機能により、デザイナーやコンテンツ作成者、承認者、プログラマー、サイト管理者の役割を分け、それぞれの担当者は自分の限られた作業に専念できるようになっている。デザイナーが作成を担当するテンプレートは標準のHTMLベースとなっている。専用の作成画面のほか、アドビの「Dreamweaver」やマイクロソフトの「Expression Web」など、一般的なWebオーサリングツールも利用できる。
これにより、表現性の高いデザインを駆使したテンプレートを作成することも可能だ。コンテンツ作成は、メール感覚の専用エディターを使って、テキストや画像をテンプレートにはめ込むだけで特別なスキルは要らない。MS-Wordなど日常使用しているオフィスツールから直接、取り込むこともできる。さらに公開日時は分単位で指定可能。コンテンツ更新に伴うリンク修正も自動化されているので、コンテンツ作成者は自分のペースで作業を進めることができる。
またNORENでは、作成・ステージング(サーバーへの配置)・テスト・公開という、コンテンツのライフサイクルへ直列・並列を問わず承認ルートを柔軟に組み込める。承認者はメールで承認依頼を受け、ブラウザ上で確認する。ネットワークに接続している環境ならどこでも承認作業ができるので、情報の信頼性向上やコンプライアンス対策にもつながる。サイト管理者の業務を支援する機能が豊富な点もNORENを語る上では欠かせない。サイトを構成する様々なパーツはリポジトリー(貯蔵庫)で一元管理。パーツの共有・再利用を図れるほか、任意のパーツを含むコンテンツの一括更新にも対応する。また、コンテン ツのバージョン管理や、承認・操作・更新のログ管理、ユーザーグループごとの権限管理といった機能も用意されている。
さらに、NORENは静的CMS。つまり、コンテンツサーバーから配信サーバーへ静的ファイルを書き出して蓄積してから配信するため、性能とシステム拡張性に優れ、大量アクセスをさばけるというメリットがある。
半面、静的CMSは動的CMSと異なり、アクセスに応じてコンテンツを動的に生成できず、双方向性を求めるECサイトなどに向かないとされてきた。
ところが、NORENではECサイトの案件が増えているという。
その理由を根津氏は次のように説明する。「ここ数年間はワントゥワンマーケティングが喧伝され、会員ごとにページを動的に生成するという理想が語られました。しかし、実際にシステム性能を考えると、年代や性別など大括りな属性に応じた何通りかの表示パターンを使い分けるぐらいです。それならば、高性能な静的CMSの方が適していると考えるユーザーが増えているのです」。
ユーザー会を通して要望をフィードバック
図1 検索に関するキーワードをさまざまな角度から分析
図2 月間ページビューの推移を日毎に分析
「先駆のCMS導入企業はCMSを取り巻く様々な課題や今後立ちはだかる問題、そしてその解決策など、有用な情報を提供してくれます」(根津氏)と話すように、アシストではCMS を採用しようとする企業に導入ユーザー訪問を積極的に勧める。もちろん、この言葉は国内ユーザーの要望を十分に反映し、機能拡張を続けてきた自信の表れでもある。
こうしたユーザー企業の声に真摯に耳を傾ける姿勢の象徴として、CMS 製品では珍しいユーザー会(「NORENユーザ会」)の活動が2003年末から始まり、会合はすでに10回以上を重ねている。事例発表でユーザー同士が情報交換するほか、製品に対する改善要望を開発元へフィードバックする場でもある。
2008年1月末にリリースされたNCSにも、ユーザーの声を反映し、一部のユーザーが事前に検証した機能改善ポイントが300カ所以上あるという。例えば、AjaxやCSS等を利用した「UI 改善」、個々のシステム利用者がよく使う機能をブックマークできる「プライベート設定管理の強化」など、一つひとつは非常に細かいが、ツボを押さえた機能改善である。
まさにNORENは、ユーザー、販売元のアシスト、開発元のアイオンの三位一体で育ててきたCMSパッケージと言えそうだ。そしてNORENは、単なるCMSを超えて情報発信プラットフォームへと進化しようと している。その方向性を示すのが、2008年5月にリリースされた「NOREN5 ExperienceServer」(以下、NES)。NCSに「サイト内検索エンジン」と「アクセス解析」機能をプラスすることで、ユーザーニーズをリアルタイムに反映しながらWebサイトのライフサイクルを統合的に管理できるようになる。
「ページビュー」や「ユニークユーザー」、「滞在時間」といったメニューは、アクセス解析では一般的に取り扱われるが、具体的には活用できていないのが実状。NESでは、これらのメニューを誰でも解析可能な「行動分析」という指標にまとめ、特徴的な「6つの機能」で検索結果をカスタマイズできる。
また行動分析の結果は、NCS 上の「ダッシュボード・マネージャ」で一元的に参照可能であり、ドリルダウンによる各指標の詳細表示にも対応する。NESとNCSがシームレスにつながっているため、担当者は解析結果をもとにコンテンツをその場で修正。その結果を評価し、ユーザーが欲している情報にたどり着きやすいようにしたり、企業が見せたい情報へ誘導できる。さらに、WebにおけるPDCAサイクルをリアルタイムかつ円滑にまわすことも可能になるなど、戦略的なサイト運営が実現できるわけだ。
根津氏は「これまでのNORENは、コンテンツを管理するためのツールでしたが、これからはコンテンツを生かすためのプラットフォームを目指します。今後は順次、NESのような機能拡張製品をリリースしていきます」と話す。今後もNORENの動向からは目が離せない。
『DESIGN IT! magazine』vol.1の特別企画「Special Report」を掲載しています。
関連情報
お問い合わせ先
- 株式会社アシスト のれん力強化事業推進室
- TEL: 03-5276-5872
- URL: http://www.ashisuto.co.jp/prod/noren_cs/ [ashisuto.co.jp]
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